2014年2月28日金曜日

たまむすびで「アクト・オブ・キリング」の話

るーてなんと!

2月25日のTBSラジオ「たまむすび」の「おもしろい大人」のコーナーで、日本では2014年4月公開の「アクト・オブ・キリング(ジョシュア・オッペンハイマー監督)」について映画評論家の町山智浩さんが紹介されていました。


インドネシアにおける大量虐殺のテーマを扱ったドキュメンタリー作品のようで、もうすぐ発表されるアカデミー賞ドキュメンタリー部門の最有力候補とのことです。
町山さんがまだ2月なのに「2014年の最高傑作」と銘打っていらっしゃるほど(!)、すごい映画のようです。

もともと、オッペンハイマー監督は虐殺の被害者/遺族への取材を進めていましたが、加害者たちが政権を握っている以上、やはりインタビューに答えるのは難しく、そこで加害者の側からドキュメンタリーを撮ることにしたのが本作品。

世界には知られていない、100万人を超える大量虐殺の事実。
その加害者たちは、今もなお政権を持っていて、インドネシアの"英雄"と呼ばれています。
「アクト・オブ・キリング」は、その加害者たちがその事実を自ら喜んで演じるのを淡々と映していくドキュメンタリーのようです。
その時点でもう居心地が悪い感じがしますね。

たまむすびを聞いていて、町山さんの映画の解説を聞いているだけなのに胸が痛くなりました。
「どちらが悪かったかは、戦争で勝った方が決める」という劇中のフレーズを紹介されたときは、腹が立つのを通り越して立ち上がれないような、そんなショックを受けました。

その当事者で、「1000人の非国民を殺した英雄」という現地の女子アナウンサーで紹介される男性は、映画(および映画内の"ドキュメンタリー映画")が進むにつれ段々と良心の呵責に悩まされていく…というストーリーらしいです。

何でも、町山さん曰くラストは「『胸を打つ』どころではない、『マグナムで胸を打つ』くらいのシーンが待っている」とのことです。


「アクト・オブ・キリング」、観るのは辛いだろうけど、映画館に足を運ぼうかなあ。

2014年2月27日木曜日

クローネンバーグの「シーバース」「ラビッド」

るーてなんと!

先日、カナダの鬼才である映画監督、デヴィッド・クローネンバーグの「シーバース」、「ラビッド」を鑑賞しました。

彼の作品は"ボディホラー"という言葉で形容されることが多いですが、その名の通り身体、またはその一部が変形してしまう描写が隠すことなく表現されています。

特に初期〜中期のクローネンバーグに多く、「ザ・フライ」や「ビデオドローム」といった作品でそれを存分に堪能することができます。


私はこの「ビデオドローム」が初クローネンバーグだったのですが、驚きやら衝撃やら、沢山の感情が沸き出る作品でした。
正直、あまりホラーに耐性のない方は観るべきではないと言っても良いぐらい、彼の本気が見れます。ほんとに。
主演のジェームズ・ウッズも程良い気持ち悪さ(←失礼)。
でも彼、IQが180もある超天才なのです!
私の好きな映画評論家、町山智浩さんも「ビデオドロームに彼のすべてが詰まっている」と仰るほど、とにかくものすごい作品なのです。
表現もとてもわかりやすいです。


さて、「シーバース」。
これは1975年の映画です。
彼の商業映画第1弾だそうですが、これまた発想が独特の気持ち悪さに満ちています。
そんなんで大丈夫かクローネンバーグ!w
因みにネタバレはありますので絶対観たい!という方はこの先はご遠慮くださいね。


生活に必要なものがすべて揃っている高級マンション(島?)が物語の舞台です。
そこで暮らす人が、奇妙な寄生虫に蝕まれる、という奇想天外なストーリー。

と言うのも、男性の象徴を模したような寄生虫がマンションに住む人々に寄生し、寄生された人はリビドー剥き出しになっちゃうっていうぶっ飛んでる作品なわけです。
クローネンバーグよ、本当に大丈夫なのか!w

主人公は別の場所に住む医者なのですが、このパニックの原因を突き止め、そして防ぐためにマンションに向かいます。
カオスっぷりが見て分かりますねw

ラストではマンション中の人間がリビドー野郎になってしまい、主人公はただ一人感染を免れようと逃げ回りますが、結局主人公も感染してしまいます。
そして、主人公も含めたマンションの住人たちは、笑顔を見せながら車で次々と外へ出て行くのです。


ホラー映画監督たちへのインタビューで構成される作品「アメリカン・ナイトメア」で彼も語っているように、クローネンバーグはこの映画で、当時のアメリカ合衆国における自由な性交渉の風潮を描いていると思われます。
マンションはアメリカそのもの、寄生虫はその意識のメタファー。
そう考えると、ただのカルトな奇天烈映画じゃないんです。

因みに、この作品の中で彼は「脳がぶっ飛ぶような作品を作りたいよね」と語っていましたw
クローネンバーグさん、漢やで…!


さて、お次は「ラビッド」。
1977年の映画です。
こちらは「シーバース」よりももっとえげつない発想でして、、
こちらもネタバレしますので、ご了承を。


ひょんな事故から女性が手術をすることに。
しかし、その手術によって、彼女の脇には女性の象徴のような跡ができ、そこから男性の象徴のようなものが飛び出し(?!)、それにより刺された者は暴力的になり誰かれ構わず襲いかかるゾンビになり、襲うと息絶え、襲われた者はまたゾンビになる、という自分でもちょっと何言ってるか分からなくなる物語ですw

性と暴力、それが連鎖していく、ということなのでしょうか。

因みにこの映画の主演を務めているマリリン・チェンバースは、当時アメリカのいかがわしい作品に出演していた有名な女優さんのようで、そんな彼女にこんな役をさせるのはクローネンバーグなりのユーモアなのでしょうね。

とにかく、ゾンビになってしまった人たちの描写が怖いのなんの!
ラストシーンはまた別の意味で衝撃でした。

映像はエグくても、考えさせられる内容ばかり。
だからクローネンバーグは面白いんですよね。

彼の作品は多数観ていますが、「スキャナーズ」「クラッシュ」「危険なメソッド」はまだ観ていないので楽しみなのです。

「ビデオドローム」、また観たくなってきたなあ。

クローネンバーグ兄貴。
これからも素敵な作品を期待してますぜ!

「真夜中の探偵」が届く!

るーてなんと!

先日注文していた「真夜中の探偵」がようやく届きました!

 
BGG:真夜中の探偵

まだプレイしていないので何とも言えませんが、カードを出しながらプレイヤー全員で物語を紡いでいくゲームのようですね。
イラストも良い感じ!

ハードボイルド小説はあまり読みませんが、探偵ものの作品が好きなのです。
と言いつつ、チャンドラーの「長いお別れ」は持ってるんですけどね、、
まだ読めていないという。
シャーロックホームズシリーズは全巻購入して始めから読み進めています。


最近は、どちらかと言えばゲーマーズゲームよりもルールがシンプルなドイツゲームをプレイしたい欲があったのですが、僕はやっぱりこういう変わったゲームが好きなんだろうなあ、とルールを読みながら思いました。

ストーリーテリングを用いたゲームはまだ経験がないので、プレイする時が楽しみです!
twitterでも好評のようでしたね、話があちこちに飛びすぎてお腹が痛くなったとのツイートをちらほら見かけます。

いつできるかなあー。
 

2014年2月26日水曜日

コロンブスのたまご

るーてなんと! 

最近、刑事コロンボに嵌っています。
というのも、先日のBSプレミアムで放送された「逆転の構図」を観て、その味わい深さに衝撃を受けたからです。

 今、TSUTAYAで1〜3巻を借りて観ているところです。
特に「2枚のドガの絵」は秀逸な作品でした。
コロンボが相手の心理を操っていく様子が観ていてスカッとします。 

コロンボその人に魅力がありますね。
何ともトボけた言動、ずんぐりむっくりな身体。常に葉巻を咥え、ヨレヨレのレインコートを着ている。
でも、めちゃくちゃ惹かれるんですね、これが。
寧ろ私がそうなりたいくらいに憎めないのです。

 また、事件を追っていても、この風体は崩さない。
そこが痺れるほど格好良いんです。
トボけた顔をして、目の奥では相手を疑ってる。あの手この手で、様々な角度から、事件の綻びを見つけそれを紐解いていくのです。 

何でも、当時アメリカでコロンボが人気を博したのには理由があるようで、知的な上流階級の白人の犯罪をイタリア系であるコロンボが追い詰めていく、という構図もその一因であると言えそうです。 

どうせなら吹き替え版で観るべきなのでしょうが、どうしても口の動きと台詞が合ってないと気に食わないもので、字幕で観るようにしています。
ですから、"my wife"のフレーズが出てきたら、頭の中で「いやあ、ウチのカミさんがね…」と唱えるようにしていますw 

古畑任三郎は小さな時から好きでしたが、元になった刑事コロンボはこんなにも面白いのか!と驚愕したのでした。

乗り換えてみます。

初めましてであるのか、お久しぶりですねであるのか、ポッカすぐるです。
以前まで書いていたブログから、こちらへ移ることにしました。

その理由として、書きたいものが増えたこと、それから、ブログサイトを変更したかったことなどが挙げられます。
そして、長い記事を書こうとするとどうしても更新に支障が出てしまいますので、一度仕切り直したいな、という意味合いも含んでおります。

私の戯言ではございますが、日々綴っていくことで生産的になれればという思いもございます。
趣味はボードゲーム、音楽鑑賞、映画鑑賞で、完全にインドアな人間ですが、どうぞよろしくお願いします。
踏み出すその足が道となる!