2015年9月1日火曜日

愛に関する短いフィルム (1988)


愛とは、孤独とは


1988年/ポーランド/87分
監督: クシシュトフ・キェシロフスキ
出演: グラジナ・シャポロフスカ、オルフ・ルバシェンク


男は望遠鏡に映り込む向かいのマンションに住む女の生活を覗き込む。
彼は孤独だ。友人は1人いるが駐屯地に勤務しており、男は友人の母親と暮らしている。
郵便局の仕事を終えれば語学書を広げ、決まった時間になると望遠鏡にかかる布を下ろして女を見つめる。
生活に変化は無かったが、1年間見続ける事で女への気持ちは大きくなっていった。


女は芸術家だろうか、キャンパスが部屋の中央に陣取っていて時折絵具のついた筆を落とす。
女は一見華やかな生活を送っている。
高級な服を着飾り、夜な夜な部屋に遊びの男を招き入れては夜を過ごしている。


ある日男は女に言った、"愛している"
"愛してる、なんて久しく言われていないわ"
"…"
"私と寝たいの?"
"いや"
"じゃあ私とデートしたり旅行に行ったりしたいの?"
"いや"
"じゃあ何?"
"愛している"


後に女は部屋に男を招き入れ、妖艶に迫る。
"これが世間で言う愛の正体よ"


純粋な愛情は絶望に打ちひしがれ、その絶望は部屋を飛び出した男の身体を傷つけさせた。


自分の部屋を覗く視線が消えた事で女は不安と焦燥感を感じ、窓に向けて電話を差し出したり自身の作品の裏側に後悔の言葉を書きなぐり窓に貼りつけるが、男からの連絡はない。


うなだれ部屋で物思いに耽る女は男が恋の病で手首を切った事を知り、病院から帰る男を見るやいなや男の部屋へ駆け込んだ。
男の部屋の望遠鏡を覗けば、そこには失恋に苦しむ自分の肩にそっと手を差し出す男の姿が映っていた。
本当に孤独だったのは、身体の関係に本物の愛があると思い込み、心を交わしていなかった女の方だったのだ。



想うこと、想われること、孤独、愛について俯瞰的、普遍的に撮られた素敵な映画でした。
クシシュトフ・キェシロフスキはポーランド出身で、ロマン・ポランスキーも然り、名監督が多いのでしょうね。



2015年8月23日日曜日

愛・アマチュア (1994)

 
コミカルで切ない大人のおとぎ話
 
 
原題: Amateur
1994年、アメリカ/イギリス/フランス、106分
監督: ハル・ハートリー
出演: イザベル・ユペール、マーティン・ドノヴァン、エリナ・レーヴェンソン
 
 
ハル・ハートリーの作品は初めてでした。
イザベル・ユペールが出ているということもあってこの「愛・アマチュア」を選んだのですが、これが何とも言えない感覚で私の感性をくすぐるのでした!
一発で大好きな作品になりました。
 

ある事件がきっかけで記憶を失ってしまったトーマス(マーティン・ドノヴァン)を救おうとする元修道女のイザベル(イザベル・ユペール)。
その一方で、トーマスに対し強い憎しみを抱いているソフィア(エリナ・レーヴェンソン)。
この3人が運命のように引き寄せられていく噛み合わないようで噛み合っていく三角関係は、絶妙に焦らしながらユーモアたっぷりに進んでいきます。
 
 
少しの時間しか登場しない人物でも十分に存在感があり、魅力的なキャラクターが多数出てきます。
みんな何処かふわふわしているのもご愛嬌。
細かい設定がなされていて、物語に華を添えるのです。
これは私の好きなコーエン兄弟の作品にも感じることができます。
 

そしてどこを切り取っても絵になるような淡いコントラストで包まれたスタイリッシュな構図ばかり。
それを支えているのは、ヒロインのイザベル・ユペールとエリナ・レーヴェンソン。
自身をニンフォマニアだという元修道女のイザベルとポルノ女優のソフィアとの対比も一役買っているように思えます。
 

イザベル・ユペールはインタビューの中で「これは抽象的スリラー、不思議な要素の多いスリラーだ」と述べています。
 
"…イザベルは理想の高い人間です。
事件に関わる一方で人間への希望を持っています。
映画は彼女の"生"への喜びを描いています。
男性と出会い、愛を知り、人間たちを知るうちに、理想は崩れていく。
彼女の理想は崇高でした。
そんな彼女がどうやって現実を受け入れていくのか。
生きるために必要な犠牲、誰もが払っている犠牲について。
それがこの映画のテーマです。"
 
 
ハル・ハートリー自身もこう説明しています。
 "例え忘れた過去でも、それから逃れる事は出来ない"
  


  
劇中でマイ・ブラッディ・バレンタインのonly shallowが流れていたので嬉しくなりました。
他にも、
the aquanettas - "mind full of worry"
bettie serveert - "tom boy"
pj harvey - "water"
the jesus lizard - "then comes dudley"
pavement - "here"
liz phair - "girls!, girls!, girls!"
the red house painters - "japanese to english"
yo la tengo - "shaker"
などが劇中歌として用いられています。
 


 
ハル・ハートリーはyo la tengoのアルバム"painful"収録の"from a motel 6"のPVの監督も手がけています。
なんと選曲センスの良い監督だこと!
 
 
 

2015年8月21日金曜日

what kind of music do you love?



素晴らしいメロディセンスと音作り。
ヨラテンゴはいつまでも追いかけたいバンドです。

ポッカすぐるです。
最近はyo la tengo熱が再燃してまして、"painful"から"electr-o-pura"、"summer sun"に"and then nothing turned itself inside-out"、"i am not afraid of you and i will beat your ass"と立て続けに購入してずっと聴いていました。
特に"electr-o-pura"は好きでしたねえ。
ブックオフが好きで行っては中古CDを抱えて出てくるのが好きでしたが、ここ最近は狙ったCDを密林さんに頼むのが多いですね。

その流れでインディーポップをyoutubeで漁る日々を送っています。
そんな中でアルバムを聴いてみたい気になってるバンド。

 
cool rainbows (ニュージーランド)


儚げなメロディ、ノイジーなリードギター、男女混合ボーカル、ボーカルのエフェクト等かなりツボ。

 
miami horror (オーストラリア)


ボーカルのソウルフルな歌声、ブリブリなベースでノリの良いグルーヴ。

 
circa waves (イギリス)


軽快なリフレインに気だるげなボーカル、メランコリックな疾走感。

 

ゆったりしてて浮遊感があったり、何処か儚げな疾走感があったりするのはすぐるホイホイなんです…。
すべてはメランコリックさなのです。


みなさんはどんな音楽が好きですか?
 

2015年8月20日木曜日

久々のゾンゲー会 (2015.07.26) ゾンビサイドとか

 
7月末はすぐる会でした。
この日は私、ぺん、たかしの3人ゲーム会。
人数が少ないこと、入手したてということもあり、ゾンビがテーマであるゲームのみをやろうというコンセプトにw


 
逃げゾンビ

まずは私とぺんだけで「逃げゾンビ」を。
イエローサブマリンにてネーミングとともに一目ぼれしてしまったゲームですw
迫りくるゾンビから逃げつつ住民を救出していくのが目的です。
ゾンビコマがたくさん用意されていますが、基本的にダイスゲー。
ゲーム終了時に勝利点(体力+住民+ボスゾンビへの攻撃)をたくさん集めていたプレイヤーの勝利。
終了条件は複数存在し、①誰かが死亡した、②住民を5人以上救出しているプレイヤーが終了ラウンドを宣言する、③都市境界線まで辿り着いた時に全プレイヤーが一定数の住民を救出している、のいずれかが満たされた時点でゲーム終了となります。
 
手番ではイベントダイスと5個のアクションダイスを同時に振り、まずはイベントを解決。
場合によってはこのイベントで死亡することもありますw
悪いイベントと良いイベントは半々で、ゾンビが増えるものや前進してくるもの、1点回復したりゾンビが増えないイベントも(基本的に手番終了時に一番遠くのゾーンから3体のゾンビが湧いてきます)!
 
その後、2回まで振り直しを行いながらダイス目を確定させます。
アクションダイスは1面だけゾンビの出目(この出目の数だけデフォルトで湧くゾンビに追加する)があり、それは基本的に振り直せません。
ゾンビの出目まで含め振り直したい場合は逃走カードを引き効果を適用させなければいけません。
もちろん悪いイベントが起こることが殆んど。
 
数ターン後の状況。
ゾンビは落ちゲーのように手番終了時に1ゾーン下に移動してきます。近づいてくるイメージですね。
プレイヤーの体力は5しかなく、ゾンビが5体プレイヤーボードに降りてくると死亡となります。
因みに私の使用したキャラであるベテラン軍人は振り直しの回数が+1!
 
 
アクションダイスの出目を確定させたら好きな順番で解決していきます。
大きく分けて攻撃系と探索系に分かれます。
 
攻撃系:
バット…出目1つにつき第1ゾーンにいるゾンビを2体排除
拳銃…出目1つにつきゾンビ1体排除
走る…出目1つにつきゾンビ1体を1ゾーン遠ざける
 
探索系は「探索」と「ネクロノミコン(死者の書)」の2つですが、これらは出目の数によって効果が異なります。
探索は住民や場所、アイテムカードを引けたりします。
ネクロノミコンは出目に応じて体力を回復したりゾーンのゾンビを一掃したりなど特殊な効果を生み出します。
 
溢れかえるゾンビたち!
まさにこれはジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」です!

アクションダイスの振り直しにも熱が入りますが、ダイスゲーなので「わー!きゃー!」と騒ぐ事に意義がありますw
ゾンビのゲームは常にそうですが、ゲームに踊らされていく主人公たちの末路を見届けるのがある意味ゲームの目的だったりします。
このセッションではぺんの操る瀕死のスポーツマンがゾンビの待ち伏せをくらい敢えなく死亡してしまいましたw


ゾンビサイド

この日のメインディッシュだった「ゾンビサイド」をぺんと2人で。
6人の異なるキャラクターで襲い来るゾンビをかわし倒しながらシナリオの目標を達成するのがゲームの目的です。
キャラクターが3アクションずつプレイしたら全ゾンビの攻撃/移動、そして発生。
シナリオによって勝利条件や終了条件が決まっているので、それを満たすまでこの流れを繰り返します。

このゲーム、面白いのが「騒音」のシステム。
プレイヤーの射撃音や音のする近接武器、ドアの鍵を壊したりする際にそのゾーンに対し「騒音マーカー」が置かれます。
視界に人間を捉えられないゾンビは一番音の大きなする方に向かって歩いてくるのです!
私はこのシステムだけでこのゲームを買う事を決意したくらい気に入っています。
そしてゲームの特徴として、人間側の攻撃の判定は基本的にダイスで解決しますが、ゾンビの攻撃は100%ヒットしますw
そして各キャラクターの体力は2。
2回ゾンビに噛まれると死亡するのです。
このシビアな環境がゲームに緊張感をもたらします。
 
まずはチュートリアルステージから。
チュートリアルの目的は隣家に移ること。
ゾンビ発生地点も1つしかありませんし、出現するゾンビも限られているのでこれは難なくクリア!


次にプレイしたシナリオは「グラインドハウス」。
原子力発電所の放射能を浴びたゾンビが隔離されている病棟のゾンビ発生地点をすべて無効化させる事が目的です。
このゲームでは騒音マーカーのルールは変更され、ステージの両脇に大量の騒音マーカーが配置されています。
この影響で建物内にいるゾンビが外へ出ていこうとしてしまうのです。
4体のゾンビが騒音マーカー地点に到達したらゲームオーバーとなります。

ドアから出ようともがくゾンビたち。
ドアを開けたらなだれ込んでくる!
 
時間の制限はないので、探索で武器を整えつつ一気にドアを開けてゾンビを駆逐していきます。
かといってもたもたしているとゾンビはどんどん発生して手の打ちようがなくなるので油断は禁物です。
このシナリオでは建物のドアを開けると反対側のドアも開く特殊ルールが追加されていますので、2手に分かれて対処しました。
 
建物内のゾンビはドアを開けた瞬間に分かる(各部屋ごとにゾンビカードを引き対応するレベルのゾンビが配置されます)のですが、このシナリオでは既に各部屋ごとに1体のウォーカー(普通のゾンビです)がデフォルトで配置されておりそれに加えてゾンビカードの分を足さなければなりません。
また、ゾンビの数には限りがあり、発生フェイズでその種類のゾンビの数が足りず配置できない場合はフィールド上にいるその種類のゾンビが追加行動を取りますw
こうなるともう手の施しようがなくなるので、放っておくのも考え物なのです。
 
2手に分かれてドアを壊そうとしているところ。
こうしないとゾンビの出口が近いので一気にゲーム終了の恐れがあるのです。

結果的にこの方法が功を奏し、何とかすべてのゾンビ発生地点を無効化することができました。
病棟のゾンビを駆逐することに成功したのです!


ここでたかしが到着したので、インストも含めチュートリアルモードを1プレイした後にシナリオ「Yゾーン」をプレイすることに。

シナリオ「Yゾーン」のマップ。
タイルを9枚も使うのでかなり場所を取りましたw

「Yゾーン」はすべての生存者が脱出地点まで辿り着くことが目的です。
つまり1人として死亡してはいけません。
左上部から右上部までの移動になりますが、その間には建物があり簡単には脱出地点までいけない作りになっています。
加えてこのゲームではゾンビ発生地点は4つもあり、脱出に手こずっていればゾンビはどんどん増えてしまい最悪の場合追加行動を招きます。

まずは建物を探索だ!
 
スタート地点のそばにすぐドアがあるので、まずはここから入り探索をするのがオーソドックスだろうという事でバールを持った主人公がドアを開けます。
出てきたゾンビはピストルで倒します。
因みにピストルの射撃判定は4以上の目でヒットなので1/2の確率ですw
さすがに下手すぎやしないか?!という疑問はさて置いて…
私はゾンビの急所に当たっていないというイメージでプレイしています(ゾンビは頭部に衝撃を加えないと動きを止めれない、というのが映画やゲームでの一般的な解釈ですw)。
 
各自探索により適当な武器を見繕います。
因みに、私調べでは、1体のウォーカーを倒せる確率は、
 
ソードオフショットガン…88%
サブマシンガン…87.5%
チェーンソー…86.8%
拳銃両手持ち/刀/ショットガン…75%
野球バット/ライフル…66.6%
バール/ピストル/マチェーテ/消火用斧…50%
フライパン…16.6%
 
でした。
これがウォーカーではなくファッティ(太ったゾンビで、1回の攻撃で2点以上のダメージを与える必要があります)や同じゾーンに生存者がいた場合(射撃の場合、目標のゾーンにいる生存者/ゾンビには優先順位があり、生存者がいればまずは生存者が死亡しない事にはゾンビに当たりません!近接武器ではこの制限はありません)などは話が変わってくるのでなんともいえませんが…。
 

中盤に差し掛かっているところです。
建物も少し奥まで辿り着きドアの前でエイミーさん(紫)が果敢にゾンビ2体と戦っているのが分かります。
このあと彼女の前のドアは開かれ徐々に脱出地点へと足を進めますが、私の操るフィルとダグが何故か別行動を取り始めましたw
ゾンビが増えすぎるといけないからという理由で建物の奥へと進んでいきますが、ゲームが進行するにつれゾンビが大量に湧いてくるので対処しきれず、戻って他の生存者のもとへ行こうと思ってもゾンビが増えて出るに出られず、もじもじと建物内で探索を続けることに。
 
ああぁー!

そうして私が足を引っ張っている間にも他の生存者は中央の建物を抜け脱出地点はもう目の前。
しかし、運悪くゾンビ発生フェイズにウォーカーの追加行動カードが出たことによって先頭に立って皆を先導していたエイミーがゾンビのえじきとなってしまいました。
ごめんよエイミー…私がもたついていたばかりに…!

ゲーム終了時のボード。
脱出地点まではあと少しでした。

ゾンビサイドはできるアクションは多く感じますが、実際にやることはものすごくシンプルですし複雑な処理は殆んどありませんし、言語依存も少ないのでプレイに影響はありません。
戦闘に関してもダイス処理ですし、ゾンビの攻撃は必ず当たるので非常にスムーズです。
騒音のシステムにも関心しますし、ゾンビにも種類があって緊張感があります。
「ラストナイトオンアース」に比べれば明らかに遊びやすいですが、よりゾンビ映画のようなシチュエーションを体感したいのであれば「ラストナイト~」がお勧めかもしれません。
フレーバーも凝っていますしね。
ただ言語依存が高めであること、日本語版が出ていないことを考えればゾンビサイドの方が遊びやすいと感じました。

シナリオもウェブ上で増えているとの事なので、これからますます稼動しそうなゲームです。
買ってよかったなあ!



ここまで来たらゾンビでやり通そう!という謎の使命感のもと、たかしを含めて3人で「逃げゾンビ」をプレイ。
今回私のキャラクターは電話屋(アイテムカードから1枚を選択して初期装備にできる)。
出目も非常に良く、ゾンビの群れをかわしては倒していたので殆んどゾンビには困りませんでした。
途中ボスゾンビが登場し、プレイヤーを苦しめます。
ボスゾンビが生きている間は、手番の最後にボスゾンビカードを引いて効果を適用させます。
もちろん悪いイベントばかりw
ボード上にゾンビがたくさんいてその対処に困っていれば尚更やっかいな存在となります。
拳銃の出目を使用することでボスゾンビにダメージを与えることができ、それは勝利点になるのでプレイヤーで協力して倒すのが望ましいです。
もちろん、自分がトップ目で体力もあるときは無視する事だってあるかもしれませんがw
 

住民を助けて仲間にすれば特殊な効果が得られたりするので、できるだけ早いうちから救出すべきなのですが、勝利点が高い住民は迷惑な効果を持っていたりするので逆にやっかいだったりしますw
私はゾンビの出目を振り直せるようになる宗教家やゾンビを一掃する暗殺者の娘などが運よく仲間になりゲームを有利に進めることができました。
結果的に私が6人救出し、最終ラウンドを宣言し勝利!



運ゲーではありますが、いいじゃない、ゾンゲーだもの。
ニッチなジャンルかもしれませんが、ゾンビに対する愛情は歳を重ねるにつれ大きくなってる気がしますw



この日はここで時間になったので解散。
コンセプトのあるゲーム会になってとても充実していました。

現在アークライトでは協力型ボードゲームである「dead of winter」の日本語版を製作中なのだとか。
ほんとに出るのかな…?
出たら間違いなく買うなあ。。
 
次は8月のボドゲ合宿のレポートです!

お昼は美味しいお好み焼きを食べたのです!
 

2015年8月18日火曜日

ブルー・リベンジ (2013)

等身大の復讐劇

 
2013年、アメリカ/フランス、91分
監督: ジェレミー・ソルニエ
 
「身の毛もよだつようなサスペンスを観たいなあ」と話していて、某レンタルビデオ店にふらっと寄ったらちょうどこんな素敵なジャケットが目に飛びこんできたのです。←
町山さんの「血で血を洗う抗争を知力を尽くして切り抜けていく、南部ノワールの拾い物だ」というコメントが寄せられていて、これは借りるしかないだろ!と心が躍った映画でもあります。
「コーエン兄弟を思わせるような…」だとか、私好みなフレーズばかり書いてあるんですもの!



ストーリーは、訳あって青いセダンでホームレス生活を送っている主人公ドワイト(メイコン・ブレア)が、ある日警官にある人物が出所することを聞き復讐のために車を走らせる…というもの。

ネタバレになってしまうので詳細は割愛しますが、ドワイトさん良心を捨てきれない行動ばかりで復讐劇としてはダメダメすぎ
でも、実際に復讐しようとしたらきっとこんなものだろうなと思うのです。
ビッグバジェットムービーのような華麗なストーリーなんて現実にはないですからね!
まず前提として、復讐をしても何も生みません。
「それで天国のあいつは喜ぶと思うのかよ!」的なアレです。
ドワイトはそこに気づきながらも、自分を狂わせていく運命に身を委ねます。
 

確かに随所にコーエン兄弟を思わせるようなシーンがあってくすぐられました。
(自分で治療しようとするところ→ノーカントリー、話が二転三転して大きくなっていくストーリー、登場人物がどこか抜けていたり)
特に治療するシーンなんてまさにそれ。
コントラストも淡い感じが個人的に好みです。
映画を通して映り込む青が印象的な作品。
特に私は前半部分にぐっと惹かれました。
 
多少のバイオレンスな表現を含んでいるので、苦手な人はご注意を!






2015年8月17日月曜日

すぐる会(2015.07.04) ツォルキンとか


7月頭の土曜日はすぐる会でした。
この日は熊本県中央公民館を借り切ってのゲーム会。
参加してくれたのは私含め10名の方々でした。
ありがとうございました!
 
この日の持ち込みゲーム。
例に漏れず殆んどできてませんw
ただこの日は2卓で回していたりしたので割と稼働率は良かったかなと。
 
一応メインに置いていたゲームは「ツォルキン: マヤ神聖暦」、「レガシー: 時の歯車」の2つ。
今回はほぼボドゲ初心者のあんどーが初参加してくれました。
でも彼は子供の頃から家に「カタンの開拓者たち」があったというサラブレット。
重たいゲームもできるでしょうが、まずは軽めにできる「コロレット」から。
 


 
コロレット

 
ミヒャエル・シャハト作の色集めセットコレクション。
3色まではプラス点ですが、4色目以降はマイナス点。
手番にできることは
①山札からカードをめくり列に配置
②どこかの列をとる
のどちらか。
列は3枚までしか配置できず、人数分の列しかないので、出来るだけカードを配置して自分に有益なカード列を作りたいですが、手番が回ってくるまでにその人に有利な列を残すお人好しなプレイヤーはいるわけもないという分かりやすいジレンマ!
お手軽でとてもすきなのです。
 
基本的に麻雀や人狼、アヴァロンで遊んでいるというあんどーは「超楽しいっす!」と言ってくれていました。


ウィザード

お次はトリテを教えようとこれを。
毎ラウンド増えていく手札を見ながら自分が何トリック取れるのかをビッドするトリックテイキングゲームです。

正確にあてればトリック数×10点+成功報酬の20点、ビッドと獲得トリック数に差異があればその差×-10点。
マストフォローで切り札もあり、スートも4色、ランクは1~13と分かりやすいシステムです。
手札は毎回1枚ずつ増えていくので、だんだんとビッドが難しくなっていきます。
 
これもあんどーが「めちゃくちゃ楽しい…!」とゲーム中悶絶しており、私は嬉しくて仕方ありませんでした。
主催者としてこれほどの喜びはない!
こうしてボードゲームに興味を持ってくれる人が増えるといいなあ。
 
 
トリックテイキングの導入といえば「ウィザード」で決まりでしょう。
何度やっても飽きない傑作だと思います。
このくらいシンプルな方が長く愛されるのかもしれませんね。
 
 
ウィザードプレイ中にけーし、つぐ、なっぱがやってきたので、ウィザードが終わるまで2人プレイの傑作「バトルライン」をインスト。
 
 
バトルライン

2人の間に置かれたフラッグを取り合うゲームです。
フラッグをはさんで、互いに3枚で構成されるフォーメーションを組み力を競います。
使用するカードは6スートの1~10の60枚。
フォーメーションは5種類あり、
同色連番>同数>同色>連番>ブタ
の順で強くなっています。

そしてこのゲームの面白いところは、「そのフラッグにおいて自陣のフォーメーションが勝つことが盤面を見て証明できれば次の手番開始時にフラッグを寄せることができる」というルール。
 

けーしとつぐくん、なっぱが交代でプレイしていました。
これまでのすぐる会では2人プレイゲームはあまりインストしていませんでしたから、みんな新鮮だったようで、楽しんでくれたようでした。
バトルラインは流通が少なくなっているようで、7月16日現在で4000円(!)。
一時期は20000円以上の値がついていました。。
ボードゲーム業界はそんな現状がざらにあるのです。
だから欲しいゲームはすぐに買わないと値が上がってしまったりする事もあるんですね。
 
 
コンセプト

この日もコンセプトw
このときは9人でのプレイでした。
いつもお題のマーカーが置かれるやいなや必ず「シュレック」という回答が(というか私w)出ていましたが、このセッションでは出題者がお題カードを見た瞬間に噴き出していたので、マーカーを置かれることなく回答が成立してしまうというハプニングが起きましたw
こうやってくだらないことで腹を抱えて笑い合える仲間がいることを改めて嬉しく思います。

 
ゴーストップ
 
私がツォルキンのインストをしている間、つぐ、たかし、としき、ぺん、あんどーの5人でこれを。
1~10の得点カードが1枚ずつ捲られ、それに対し「ゴー」か「ストップ」を全員がプロットし、「ストップ」が1人だけならその得点カードを得られるバッティングゲー。
すぐる会ではバッティングゲーで盛り上がらないことがありません。
各プレイヤーは「ストップ」カードは1枚しかもっておらず、1度出してしまうとのちに出てくるかもしれない高得点カードをとれるチャンスはなくなります。
しかし、高いカードには複数のプレイヤーが「ストップ」を出す可能性が高く、どこらへんに落としどころをもってくるかが楽しいゲーム。
プレイ感も軽く、すぐる会ではよく稼動しています。
この日はとしきがインストをしてくれていました。
すぐる会では私がインストをすることが殆どですが、こうしてインストまでできるほど楽しんでくれているのだと思うとすごく嬉しかったです。

 
世界の七不思議

ゴーストップが終わって同じメンバーで次はこれを。
言わずもがな名作で、2011年にドイツゲーム賞で大賞を受賞している作品です。
プレイヤーは文明の1つを担当し、他の文明よりも発展する(勝利点を稼ぐ)ことを目指します。
カードドラフトシステムが用いられており、ダウンタイムがほとんどないのが特徴です。
勝利点の高め方が戦争や文化や宗教やらで多数あるのでインストは意外と難しかった印象がありますが、1時代回してみた方が早いかもしれません。
 

7人までプレイできる上にダウンタイムが無いのが良い点ですが、基本的に関わりがあるのは右と左のプレイヤーのみの為、向かいのプレイヤーに関しては干渉できずまさに対岸の火事なので絡みはほとんどありません。
その上7人プレイともなれば始めに見る手札は2度と見ることはないので運の要素は強くなります。
まあでも重たいゲームでもないので、「あすこの国はどげんしたと、えらい国力ば高めなはっとっばってん」って感じでも問題ないとは思いますがw


ツォルキン

この日のメインゲームであるツォルキン。
けーし、勝家、へる、なっぱの4人プレイにて。
ボドゲ慣れしている3人と頭脳派のなっぱのお陰でインストもそんなに苦ではありませんでした。
建造物や宗教を通して自分の部族を繁栄させます。

何と言ってもこのゲームの特徴はボードのギミック。
中央の歯車が回ることで周りの歯車も回転する仕組みなのです!
これがゲームのシステムに非常に絡みついている訳ですから、興奮しないわけがありません。

複雑そうに見えますが手番にできることはシンプルで、①労働者を任意の数配置する②任意の数の労働者を引き上げてアクションを解決する、の2つのうちどちらかのみ。
たった2つだけなのに歯車が回ることで悩ましくなるのです!


そしてこのゲームはアグリコラのように労働者へのご飯タイムが計4回あります。
この手のシステムでは食べさせれないとほぼ負けが確定するようなシビアなものが多いため、まずはこの食糧事情を解決して勝利点を得る必要があります。
建造物を建てて得点を得るか、宗教分野に特化して得点を得るか、そのバランスが悩ましい傑作です。

へるが58点でトップでこのセッションは終了。
「マルコポーロの足あと」も同じデザイナーですが、「このデザイナーのゲームは苦手かもしれないです」と勝家。
こうして少しでもデザイナーの話まで出てくるだけで私としては非常に嬉しいことです。
もう一度リプレイしてほしいなあ!
 

モダンアート

クニツィア先生による様々な競りを楽しめる名作!
画商になり、注目株の画家の絵をあの手この手で売り捌くゲームです。
各ラウンド毎に一番売れた画家(多く場に出た)から30、20、10の価値が付きます。
あとのラウンドで価値がついた画家の絵には過去の価値も付加されるので、後半は大きな額が飛び交います。
購入した絵はその価格に応じてラウンド終了時にお金になります。
手番では絵を1枚選び競りにかけるのですが、カードにはフリーオークション、握って一斉の競り、1周のみの競り、提示価での競りの4種類のうちいずれかの方法が描かれていてその競りを行います。

単純にここだけでも面白いですが、売り出す際に「今、新進気鋭のヨーコという画家がいます。彼女のこの絵をご覧ください!これは90年代のポップアートを意識した技法が取り入れられていて…」とPRするのが楽しいんです。
ごっこ遊びでも上等、その世界観に入り込めるのがボードゲームの楽しさですから!


ゴーストップから始まったこの卓はモダンアートが一番の盛り上がりを見せていたように思います。
私が席を離れても各々で楽しそうにプレイする姿を見て、主催者として感無量でした。。
このゲームはそれこそネットオークションで購入しました。
でも現在は再販されたりして入手しやすくなっているようです(2015年8月現在)。
競りがメインのタイトルではその相場観が重要になりますが、1手1手が重苦しくないのでみんな楽しめたのかな?
「競りゲーかあ、面白そう」と横から恨めしそうに呟く声も。
こうして「競りゲー」という言葉が出てくるだけでもすごく嬉しいのです!

 
トランプ・トリック・ゲーム!

モダンアートが盛り上がっている横でけーし、勝家、へる、なっぱにこれをインスト。
私のお気に入りのトリックテイキングの一つ。
狩猟がモチーフとなったゲームです。
4スートの1~12で構成され、計4ラウンドを通してプレイします。
基本的には切り札ありのマストフォローのトリックテイキングなのですが、3ラウンド目までは取れるトリック数に制限があります。
それは「獲得したトリックが次のラウンドの手札になる」という理由からです!
このルールがゲームを面白くしています。
3ラウンド目までは「獲得したスート数×カードに描かれている足あとの数」が点数になりますが、4ラウンド目は獲得できるトリック数に制限はなく、獲得した各カードにつき「熊4点、猪3点、羊2点、狼1点」が点数になります。
つまりどれだけ4ラウンド目の狩りに備えられるかというゲームでもあります。
切り札スートはゲーム開始時に決定されるので、ランダム性が存在するのは最初に配られる手札のみです。
これもオーソドックスなトリックテイキングの部類に入ると思います。
やっぱり名作!
 
 
ピット

久しぶりに遊んだ騒音ゲームw
各プレイヤーでカードを交換して、カードが揃ったら中央に置かれたベルを鳴らして得点という至ってシンプルなゲーム。
シンプルなんですが、これが自然と声が大きくなっていつのまにか騒音を生むのですw
手番等はなく、とにかく交換しまくって自分の欲しいカードを集めなければなりません。
人を選ぶゲームとは思いますが、一体感が生まれる特殊なゲームだと思いますw
おじさんはこのゲームを遊ぶ元気がもうないかもしれません…w
 
 
スカル

髑髏と薔薇のリメイク作品。といっても中身は一緒です。
コースター型の手札を裏向きに伏せて何枚薔薇がめくれるかのチキンレース。
手番では手札を1枚伏せるかチャレンジの競りを行い、1度チャレンジの競りが行われるとそれ以降は競り上げるかパスするかの2択。
チャレンジをする場合はまず自分の札をすべてめくる必要があるため髑髏は伏せたくないところですが、ブラフでチャレンジする意欲を見せるのも1つの手。
私がインストしなくてもみんなでプレイできるあたりこのゲームの稼働率は良いですw
手軽にプレイできますしね。
 
 
カカオ

ゲームフィールドにて購入したシンプルなタイル配置ゲー。
労働者タイルとジャングルタイルを市松模様で配置しながらカカオ豆を売ったり泉で個人ボードのミープルを進めたり、神殿に労働者を送り込んだりしてお金を一番稼いだプレイヤーの勝利。
 

今回プレイしたのは私とぺん、けーしとへるの4人ですが、もともとカルカソンヌに慣れ親しんだ面子ということもありインストは楽に終了。
4人プレイだと自分の手番が回ってくるまでに良い位置がなくなっていることが多く、上家の引きが重要だったりします。
それでも1ゲーム30~40分程度で終わるので繰り返しプレイできる良作だと思います。
泉で最大までミープルを運び神殿で得点をまくったけーしの勝利。
 
 
ボーナンザ

その4人で以前よくプレイしていたボーナンザを。
私たちの間では通称「豆」で通るこのゲームは、「手札の順番を変えてはいけない」というところがポイント。
交渉を重ねつつできるだけ多くの豆を売ってお金を稼いだ人の勝ちです。
このゲーム、個人的には勝ち負けはどうでも良くて、どれだけ自己満足的に手札の豆を消化できるかが大事だったりしますw
時には相手が「え、良いの?!」と思わず言ってしまうような法外な交渉も。
懐かしみながらプレイしましたが、やはり良いゲームです。
勝ち負けにこだわらずプレイした人が楽しくなれるのも良いゲームの要素の1つかなと思います。

 
インカの黄金

やはり人数が多くなり締めくくるのはこのゲーム。
全員でお宝探しに洞窟へ出かけます。
危険カードが2枚出たらアウトで、それまでにお宝を持って帰るかどうかのチキンレース。
宝カードはプレイ人数分で割るのですが、余りはまだ洞窟内においておくのがポイント。
余った財宝は帰るプレイヤーで分け合うのです。
より宝を独り占めしたい場合は奥へ進みますが、危険カードの確率も上昇していきます。
少ない財宝だけど早めに帰る人、まだまだ足りないと奥へ進み続ける人といて、人間性が出るなあとひしひし感じますw
バッティングゲーで盛り上がらないことがありません!



こんな感じでこの日は解散。
初めての人もいたり、トリテが好きだと分かったり競りゲーが好きだとわかったり、色んな発見がある1日となりました。
次は3人ゾンゲー会の記事です!w

 

2015年8月4日火曜日

7月定例会 (2015.07.19)

 
先日のすぐる会のレポートの前に、熊本ドイツゲームの会の7月定例会のレポを。
7月の定例会の大会種目は「セット」でした。
 
この日も相変わらず受けの姿勢で待機をしていたところ、「コルトエクスプレス」のお誘いを受けました。
アートワークがあまり好みではなくスルーしてたゲームでしたが、結論から言えば何とまあ面白かった事か!
 
 
コルトエクスプレス
 
インストを受けつつ6人でプレイ。
賊のひとりとなり、列車の中でお宝を奪い合うゲームです。
テーマは西部開拓時代のアメリカ。
6人の異なる能力のキャラクターをそれぞれ担当します。
ゲーム終了時に一番稼いでいたプレイヤーの勝ち。
 
このゲーム、ゲーム開始前からコンポーネントに驚かされます。
立体的な連結車両!
そして画像上部に見えるサボテン的なコンポーネントはゲームに影響はなく、単なる雰囲気造りのもの。
この部分で既に惹かれますw
何と無駄なコスト!でもそこが良い。
実際に列車が走っている風景のイメージが容易です。
 
プレイヤーは同じセットの行動カードを受け取り、手番でプロットします。
すぐに解決ではなく、ラウンド毎に決められた枚数をプロットするまで繰り返すのです。
 
私の選んだキャラクターはベル。
彼女は美貌が武器で、他プレイヤーと行動を共にすれば射撃や打撃の対象とならない。
 
プロットには裏向きで指定されているものもあり(列車がトンネルを通過するイメージ)、そこで他が何を仕込んでいるのか予想して行動するのが非常に楽しかったです。
時には殴ったはずなのに外れたり、移動してお宝を得るはずだったのに保安官が移動して撃たれたりw

また、使用するキャラクターには特殊能力があるためそれを活かしながらプレイをするのも醍醐味。
盛り上がること必至のボードゲームです。
(先日ポチってしまうほど楽しかったのですw)

 
アンフェア・クエスト

コルトエクスプレスの流れでNさんにインストを受けた同人ゲーム。
RPGのように出てくるモンスターを全員で協力しながら倒していきます。
各プレイヤーはダイスを振り、ダイス目に応じて攻撃。
モンスターはアイテムを2つ持っていて、最初に攻撃したプレイヤーが1つ目を、倒したプレイヤーが2つ目を受け取ります。
最後のボスまで倒したら第一フェイズ終了。
 

ただこのゲーム、重要なのは後半の2フェイズ目。
各人獲得したアイテムを場に返します(得たアイテムはパーティのものである=共通の報酬であるという認識)。
しかし協力ゲーではなく、このゲームの勝利条件はもっともお金を稼ぐこと。
得たアイテムを全部返しているとは限らないのです。
場に「きちんと返した」ならそれ以降は他プレイヤーが嘘をついていないかどうかチャレンジすることができます。
もしチャレンジが成功(嘘を見抜いた)ならそのアイテムを没収し50Gを受け取ります。
失敗すれば50G。

正直ここにゲームの焦点があると言っても過言じゃないかもしれないです。
ただ、1フェイズ目でのモンスター討伐で「誰がどのアイテムを取ったか」カウンティングしていけばいいのでしょうがそんなのはほぼ無理w
「あの人はもう少し赤の宝石持ってなかったっけ…?」とかそれくらいでも良いと思うのです。

なかなか同人ゲーとか遊ばないので、良い経験になりました。
宝石のコンポーネントとそれを入れる布もあり、豪華な仕様になってます。

  
 ◯アウグスブルク
 
Nさんに「やりませんか」とお誘いを受けたので喜んでプレイさせていただくことに。
 
貴族が描かれたカードを買い、それを用いて競りを行い特権を買って勝利点を高めるゲーム。
貴族は4種類あり、各貴族ごと+オールの計5回の競りを行います。
カードは1~17のランクがつけられており、ハイランクになるほど購入金額も大きくなります。
競りは枚数で行います(テキサスホールデムのような)が、同数の場合ランクが高いプレイヤーが特権を獲得。
特権は3つあり、お金/勝利点/カードでどれも優位にゲームを進められるものです。
規定回数のラウンドを終えた時点での勝利点を競います。
 

結局高めなければいけないのは勝利点ですが、そのためには良いカードを手に入れたい、選択肢を増やしたいところですがそのためにはお金が要る。
そしてこのゲームで好きなのが「足切り」のシステム。
勝利点が一定に達したらロックがかかり、解除するために特権を利用してお金を払う必要があります。
これがゲーム中に2回訪れます。
なのでそのための資金集めもしないといけないし、より良いカードを得ておく必要がある。
しかし、集めている貴族カードが他のプレイヤーとかぶったら…
 

いかに漁夫の利的な選択ができるかはボードゲームにおいて重要な要素だとは思いますが、そのすき間産業的感覚で無駄なプレイをなくすことができるかというのはやはりセンスなのでしょうか。
私は紫の貴族に目をつけ(貴族の色が競りの順番にもなっているのです)、できるだけバッティングしないように、お金にはあまり目を向けず勝利点と足切りの事を考えたプレイング。

ザ・ドイツゲームとでもいうべき、ドライで低温なプレイ感がものすごく好きな作品でした。
この感想戦ではアレアの外箱の側面に番号が振ってあるというトリビア(?)をNさんに教えていただき、「そうなのか!」と終始驚きを隠せなかった私です。
そんなこと言われたら、アレアを集めたくなるじゃない…ねえ。

 
ミュー

最後はルール確認の意味も込めて「ミュー」をさせていただくことに。
トリックテイキング好きを公言する上では避けて通れないこのゲームですが、ルールの複雑さや面子の関係でどうしてもプレイできていないのが事実。。
今回のプレイで改めてプレイ欲が湧きました。



そんなこんなで、7月定例会は大味なゲームから同人ゲーム、ドイツゲームからトリックテイキングまで楽しんだ1日でした。
8月はすぐる会合宿!